ここではLaTeX処理したときに知っていると便利な知識について説明します. エラーを訂正したり,希望通りの出力を得るために,適宜参照してください.
platexコマンドはLaTeX処理中にエラーを発見すると,そのエラーを表示して処理を中断し,エラーモードに入ります. ここではエラーの対処法について説明します.
エラーをなるべく出さないようにするためには,一度にすべての文書を記述してからLaTeX処理をするのではなく,こまめにLaTeX処理をしながら文書を記述してください. エラーが出てしまった場合でも書き加えた部分だけを調べればよいので,エラーの発見が容易になります. 次に,状況に応じたエラーモードからの復帰方法とエラーの原因について説明します.
このエラーはplatexコマンドで処理される LaTeXのソースファイル名や文書クラス名,パッケージ名など,ファイル名の記述を誤った際に表示されます. この場合,キーボードから正しいファイル名を入力することでLaTeX処理を 続行できます. この状態でC-dあるいはC-cを入力すると LaTeX処理を中止できます.
このエラーはコマンドのタイプミスや環境の閉じ忘れなど,LaTeXの文法を誤った場合に起こります. この場合,x<ENTER>またはC-cを入力してエラーモードから復帰できます. また,h<ENTER>と入力すると,エラーの原因を説明するヘルプメッセージが見られます.
このエラーは\end{document}がない,あるいは LaTeXのソースファイルでないファイルをLaTeX処理した場合に起こります.こ のときはC-dまたはC-cを入力して処理を中止します.
LaTeX処理を行うと,dviファイルの他に`.aux'や `.log'といった拡張子のファイルも生成されます.これらのファイル はいずれもLaTeXが目的に応じて出力しているものです.ここでは,LaTeXで利用されるいくつかのファイルについて,拡張子ごとにその役割を 説明します.
LaTeXは,`.tex'という拡張子がついているファイルを ソースファイルとして認識します. texファイルに文書を記述します.
texファイルをLaTeX処理した結果,出力される文書イメージファイルで す.dviはDeVice Independentの略です.
dviファイルを印刷するためには,プリンタが直接解釈できるPSファイルに変換する必要があります.
dviファイルからPSファイルを作成するにはdvi2psコマンドを
利用します.書式については
を参照してください.
PSファイルはページ記述言語である
PostScriptという言語によって記述されており,プリンタが直接解釈できます.
LaTeXに図を貼り込む際に使われるEPSファイルは
PSファイルの特別なものです.
PS, EPSファイルに関しては
を参照してください.
LaTeX内部での情報の参照に利用されるファイルです.おもに
目次
や参考文献
などをつけたり
する場合に情報の連絡役となります.
\tableofcontentsコマンドによって目次
を作成
する場合に生成されるファイルです.
LaTeX自身が処理の作業記録を出力するのに利用するファイルです.
文書クラスを定義するファイルです.LaTeXは指定された文書クラスに対応するク
ラスファイルを環境変数
TEXINPUTSで
指定されたディレクトリから検索して読み込みます.CNS
では`/usr/local/share/texmf/'以下のディレクトリにクラスファイルが置かれています.
クラスオプションを定義するファイルです.clsファイルと同様,環境変数 TEXINPUTSで指定されたディレクトリから読み込まれます.
パッケージを定義するファイルです. cls,cloファイルと同様,環境変数TEXINPUTSで指定された ディレクトリから読み込まれます.