XVは,対話的に画像の操作,編集を行えるアプリケーションです.XVの主な
機能は,各種画像ファイル形式の表示や保存,変換であり,画像の作成などは行
えません.
取り扱える画像ファイル形式を次にあげます.画像ファイル形式の詳細はを参照してください.
- GIF
- PNM (PBM,PGM,PPM)
- XBM (X11 Bitmap)
- JPEG
- TIFF
- PostScript
- BMP
- IRIS RGB
- Sun Rasterfile
- PM
- Targa
- FITS
次のように入力すると,XVの起動画面が表示されます(図23.9).
また,次のように表示したいファイルを指定してXVを起動すると,指定した画
像がXVの起動画面の代わりにウィンドウに表示されます.
xv [ファイル名] &
XVで扱えない画像ファイル形式を指定した場合,ウィンドウは表示されますが,画像は表示されません.
- XVの終了
-
XVを終了するときはコントロールパネルの[Quit]をクリックするか,またはxv
のウィンドウ上でqを入力します.
ウィンドウの中で右ボタンをクリックすると,XVのコントロールパネルが表示
されます(図23.10).ここではコントロールパネルの機能につ
いて説明します.
- 読み込み
-
[Load]は`xv'ウィンドウ上に,指定した画像ファイルを読み込んで表示する機
能です.コントロールパネルの[Load]をクリックすると,`xv load'ウィン
ドウ(図23.11)が表示されます.そのウィンドウ内でファイルの
リストから該当するファイルを選択しクリックするか,`Load file:'に直接ファ
イル名を入力して[Ok]をクリックすると,その画像ファイルが`xv'ウィンドウ
に表示されます.
また,コントロールパネル上部の[Image Size]をプレスして表示されるをメニュー
から画像の表示モードを変更すると,現在表示している画像をルートウィンドウ
にも表示できます.なおこの場合は,画像を表示していた`xv'ウィンドウは消えます.
- 保存
-
[Save]は現在`xv'ウィンドウに表示されている画像をファイルに保存する機能
です.コントロールパネルの[Save]をクリックすると`xv save'ウィンドウ
(図23.12)が表示されます.`xv save'ウィンドウ内で画像ファ
イル形式(Format)と色形式(Colors)を選択します.該当するファイル名をクリッ
クするか,`Save file:'に直接ファイル名を入力して[Ok]をクリックすると,選択した画像ファイル形式で画像が保存されます.拡張子はFormatを選択した時
点で自動的につけられます.
また,画像が表示されている`xv'ウィンドウの大きさを変えることによって,画像の拡大縮小を行えます.
- 取り込み
-
[Grab]はウィンドウダンプを取る機能です.コントロー
ルパネル上の[Grab]をクリックすると,`xv grab'ウィンドウ(図23.13)が表示されるので,取り込みたい内容によって次のよ
うに操作します.
-
- 1つのウィンドウ全体を取り込む
-
`xv grab'ウィンドウの中の[Grab]をクリックし,取り込みたいウィンドウの
上でマウスの左ボタンをクリックすると,そのウィンドウのみが取り込まれる
(ウィンドウダンプ).ルートウィンドウをクリックすると画面全体が取り込ま
れます(ルートウィンドウダンプ).
- ある範囲を指定して取り込む
-
`xv grab'ウィンドウの中の[Grab]をクリックし,マウスの中ボタンをドラッグ
すると,プレスした場所を始点に点線の枠が表示されます.枠の大きさを調節して
取り込みたい範囲を囲んで,マウスボタンをリリースすると,その範囲だけが取
り込まれます.
- 指定時間後の画面を取り込む
-
`xv grab'ウィンドウの中の`Delay: 0 seconds'と書かれた部分に
数字を入力し,[AutoGrab]をクリックすると,指定した秒数後にマウスカーソ
ルが指しているウィンドウを自動的に取り込みます.
- xvのウィンドウを隠す
-
ルートウィンドウなどを取り込むときに,XV関連のウィンドウを隠したい場合
には,`xv grab'ウィンドウの中の`Hide XV windows'をクリックしておきます.
マウスの中ボタンをドラッグしてウィンドウダンプを取るときは,中ボ
タンをリリースすると同時に取り込みがはじまります.
- 切り取り
-
[Crop]はXVの画面に表示されている画像の一部分を切り取る機能です.XV
のウィンドウ上で左ボタンをドラッグすると点線の枠が表示されます.
この状態で,コントールパネル左下の[Crop]をクリックすると,枠で囲った部分
だけが切り取られます.[UnCrop]はCrop操作の取り消しを行います.また,[AutoCrop]は表示画像に同一色の余白がある場合,その部分を自動
的に切り捨てます.
- 縮小,拡大
-
表示している画像全体を縮小,拡大します.
- 回転
-
表示している画像全体を90度回転します.
- 反転
-
指定した範囲を縦,横に反転します.範囲を指定していない場合,画像全体を反転します.
現在表示されている画像ファイルに関する情報を得る機能です.コントロール
パネル上部の[Windows]→
[Image Info]を選択するか,またはコント
ロールパネル上でiを入力すると`xv info'ウィンドウが表示されます.
このウィンドウには現在表示されている画像に関する情報が示され,その画像に
変化があるたびに書き替えられます.再度同じ操作を行うと`xv info'ウィンドウ
は閉じます.
現在表示されている画像の色調などの変更を行う機能です.コントロールパネ
ルから[Windows]
→[Color Editor]を選択するか,またはコントロー
ルパネル上でeを入力すると`xv color editor'ウィンドウが
表示されます.
このウィンドウには,RGBの設定やイメージの修正を行うためのさまざま
な項目があるので,これらを変更することによって画像の修正を行えます.
Algorithmsは,画像にぼかしやエンボス化などの特殊効果を与える機能です.
コントロールパネル上部の[Algorithms]をプレスして表示されるプルダウンメニュー
に特殊効果の種類が表示されるので,利用したい効果を選択してリリースします.