2台以上のコンピュータをつなげた状態を``ネットワーク''といいます. ネットワークは,その規模によって`LAN ' ()や LAN 同士をつなげた`WAN' (Wide Area Network)などがあります. 現在のネットワークの多くは,クライアントサーバシステムを採用しています. サーバとは,高い処理能力を持ち,通常24時間起動しているコンピュータのことで, クライアントとは,サーバが提供する機能(サービス)を 利用するコンピュータのことです. このように役割を分担することにより,機能の単純化と効率化を実現できます.
例えば,自宅にあるコンピュータで行えない作業があるとき, 電話回線を利用してネットワークに接続し, 学校のコンピュータで作業を進められます.
サーバとクライアントの間ではネットワークを通じて, どのような手順や方法で通信するか,規格が決められています. この決まりを``プロトコル''といい, 例えばファイルを送受信するFTP ()やURL ()に該当するデータをクライアントに転送す るHTTP (HyperText Transfer Protocol)など, 用途に応じてさまざまなものがあります.
コンピュータ同士が連絡を取るには, 1台1台のコンピュータを識別する必要があります.
ネットワークにつながれたコンピュータを識別するために,それぞれのコンピュータに ``IPアドレス''が割り当てられます. IPアドレスは32bitのビット列で表されます. また,それぞれのコンピュータは違うIPアドレスを指定される必要があります. IPアドレスを表記する際は133.27.4.210のように 8bit(0〜255)ずつ`.'で区切って表します.
コンピュータの識別は``ホスト名''によっても可能です.
IPアドレスが数値の羅列に対して,ホスト名は単語なので
コンピュータの識別に便利です.
ホスト名はホスト部とドメイン部から構成されています.
例えばccz00.sfc.keio.ac.jpというホスト名のコンピュータの
ホスト部は`ccz00',ドメイン部は
`sfc.keio.ac.jp'です.
同一ドメイン内で通信する場合は,相手のドメイン名を省略し,ホスト名だけで相手を指定できます.
ホスト名によるコンピュータの識別の場合, ユーザが指定したホスト名は``DNSサーバ''に送られます. DNSサーバは,ホスト名とIPアドレスの対応を記録しているので, 受け取ったホスト名からIPアドレスを割り出して,その IPアドレスをユーザに送り返します. このようにしてユーザは,DNSサーバから受け取ったIPアドレス からコンピュータの識別をし,連絡を取ります.
また,ユーザが自分のコンピュータをインターネットに接続して 電子メールを送ったり,Webページを見たりするためには, 自分のコンピュータもIPアドレスによって識別される必要があります. CNS のユーザは自分専用のIPアドレスを持っているわけではないので, ``DHCPサーバ''というIPアドレスを一元に管理しているサーバから自動的にIPアドレスを取得し, そのアドレスを自分のコンピュータを識別するために用います.