ネットワークの利用/ネットワークを通じてのコミュニケーション/ネットワークを通じての会話 -- phone

UNIX環境では,ネットワークを通じて他のユーザとリアルタイムで通信できるアプリケーションが用意されています.ここではCNS で利用することのできる phoneコマンドについて説明します. phoneは他のユーザとリアルタイムで会話するためのコマンドです.

5.1.1 phoneの基本操作

自分と同じホストにログインしているユーザに対してphoneコマンドを実行するには,コマンドに続けて会話する相手のログイン名を入力し,相手が応えるのを待ちます.自分とは違うホストにログインしているユーザに対してphoneコマンドを実行するには,相手のログイン名とホスト名を指定する必要があります.

次に,ccz01にログインしているユーザ`s01000hf'に phoneコマンドを実行する例を示します.

% phone s01000hf@ccz01<RET>
実行するとphoneの待ち受け画面になります. phoneコマンドの書式は次の通りです.
% phone [ログイン名]@[ホスト名] [端末名]<RET>

phoneを受けたユーザのターミナルウィンドウには,phoneがかかってきていることを示すメッセージが表示されます.相手がphoneを受けるとターミナルウィンドウが上下に分割され会話がはじまります.次に,かかってきたphoneに応えて会話を始める実行例を示します.

Message from the Telephone_Operator@ccz00 at 6:08 ...  
phone: connection requested by t01000tf@ccz01 
phone: respond with "phone t01000tf@ccz01"
% phone<RET>

phoneを受けると画面が図5.1のように表示され,会話がはじまります.


図 5.1:phoneの実行例
図 5.1:phoneの実行例

5.1.2 キー操作

phoneコマンドには,表5.1のような機能が用意されています.これらのキー操作を行っても,相手の画面には表示されません.


キー操作
キー操作 意味
C-c y phoneの終了
C-u 自分の入力中の一行を消す
C-n 自分の表示領域のすべての文字を消す
<ESC> コマンドモードに移行

5.1.3 かな文字の使用

<ESC>に続けて`set code jis'と入力すると,入力した文字の表示がアルファベットからひらがなに切り替わります.片仮名で表示するときには,その単語の1番はじめをアルファベットの大文字にします.<SPACE><TAB>で単語を区切ることができます.また,母音で終わらない単語はアルファベットのまま表示されるので注意が必要です.英単語など,純粋にアルファベットで単語を表示する場合は,ダブルクォーテーション(")でその単語を囲みます.

ホームディレクトリに`set code jis'と記述した`.phonerc'という名前のファイルを作成しておくと,以降phoneを起動するだけでひらがな表示に切り替わります.

5.1.4 phoneの終了

phoneコマンドを終了するには,C-cを押します.画面の左下に`Really quit?'と表示されるので,yと入力すると phoneが終了します.