ネットワークの利用/データ転送/FTPの利用

ネットワークに接続されている他のコンピュータとデータのやりとりを行うには``FTP''を利用します.FTPはFile Transfer Protocolの略で,ネットワーク上のコンピュータとのファイルのやりとりを行うための手段です.自分の所有しているコンピュータや研究会が管理しているワークステーションと,CNS の間でファイルのやりとりを行いたい場合などに利用します(図3.1).

ファイルのやりとりを``転送''といいます. 転送といっても,転送元のコンピュータのファイルを転送先のコンピュータに移動するのではなく,コピーを行うため,ファイルは転送元のコンピュータにも残ります.


図 3.1:FTPの利用
図 3.1:FTPの利用


3.1.1 FTPの手順

FTPを利用したファイルのやり取りをする手順は次のようになります.

1.
リモートホストにログインする.
2.
リモートホストのディレクトリを移動し,目的のファイルを探す.
3.
ファイルの`転送モード'を変更する.
4.
ファイルを転送する.
5.
接続を切断し,作業を終了する.
UNIX,Windows,Macintoshのどの環境でもFTPの手順はこの流れになります.以降この流れにそって詳しく説明します.

3.1.2 ファイル転送モード

ファイルには,テキストファイルとバイナリファイルの2種類があります.FTPを利用してファイルを転送するとき,転送したいファイルの種類に合わせて転送する手段を選ぶ必要があります.この転送する手段を転送モードといいます.テキストファイルの場合は転送モードにアスキーモード(ascii)を選ぶ必要があり,バイナリファイルの場合は転送モードにバイナリモード(binary)を選択する必要があります.


バイナリファイルをアスキーモードで転送すると,転送先のコンピュータに転送してきたファイルは中身が壊れてしまうので注意してください.


3.1.3 日本語を含むテキストファイルの転送

日本語の形式はOS によって異なり,UNIXではJIS(ISO-2022JP)形式またはEUC(Extended Unix Code)形式,WindowsやMacintoshではShiftJIS (MS漢字コード)が使われています.したがって,例えばUNIXとWindows間で日本語を含むテキストファイルの転送を行うと,テキストファイルの日本語が文字化けを起すことがあります.文字化けを直すには,UNIXに用意されているnkfコマンドを利用して,ファイルを見る環境に適した漢字コードに変える必要があります. nkfコマンドの使い方は第III部 4.6 を参照してください.