ネットワークの利用/コンピュータの遠隔利用/リモートログインの方法

2.2.1 UNIX環境でのリモートログイン

UNIX環境でリモートログインを行うためのコマンドにはtelnetコマンド,rlogin コマンド,sshコマンドの3つがあります.

telnetコマンド

telnetコマンドはTELecommunication NETworkの略で,リモートホストにログインするときに利用します.telnetはtelnetプロトコルを使用しているアプリケーションであれば,unix 環境に限ることなくリモートホストにログインできるので,WindowsやMacintoshでも使用できます.

次にtelnetコマンドを利用してccz01へリモートログインする実行例を示します.telnetコマンドを実行すると, telnetプロンプト(telnet>)が表示されます.プロンプトを確認したら, openコマンドに続けてリモートログイン先のホスト名を入力します.

%telnet<RET>
telnet>open ccz01<RET>
Trying 133.27.4.211...
Connected to ccz01.
Escape character is '^]'.


UNIX(r) System V Release 4.0 (ccz01)

login: t01000tf
Password:
Last login: Thu Feb 15 10:11:05 from zz123
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% _

telnetコマンドの書式を示します.

telnet> open [ホスト名]<RET>

rloginコマンド

rloginコマンドは`Remote Login'の略で,リモートログインをするときに利用されるコマンドです.

rloginコマンドはリモートログインしたいサーバを指定して利用します.次にサーバマシンccz01にリモートログインする実行例を示します.実行例では,リモートログインが行われていることを確認するために hostnameコマンドを利用してログインしているホストを確認します.またリモートホストからログアウトするためにlogoutコマンドを実行します.

% hostname<RET>
zz123
% rlogin ccz01<RET>
Password: <RET>
Last login: Tue Feb 13 09:21:52 from zz123
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
% hostname<RET>
ccz01
% logout<RET>
Connection closed.
% _

rloginコマンドは次のような書式で利用します.なおオプションは省略できます.

% rlogin [オプション] [ホスト名]<RET>

ユーザ名の指定
-lオプションを利用するとリモートログインするアカウントを指定できます.-lオプションを利用せずユーザ名を指定しない場合は,ローカルホストのアカウントが指定されます.

rlogin -l [ログイン名] [ホスト名]
%whoami<RET>
t01000tf
%rlogin -l s01000hf ccz03
Password: ******<RET> Last login: Thu Feb 15 09:20:18 from zz123
Sun Microsystems Inc. SunOS 5.6 Generic August 1997
%whoami<RET>
s01000hf
% _


sshコマンド

サーバへリモートログインをするとき,ユーザ認証のためにパスワードを入力します.このときrloginコマンドは入力するパスワードを暗号化しないでネットワークに接続されているサーバとやりとりします.インターネットを通じたリモートログインの場合,入力したパスワードがそのままネットワークを通じてやりとりされるので非常に危険です.そこで,情報を暗号化してリモートホストにログインできるようにしたのがsshコマンドです.sshコマンドはSecure SHellの略で,パスワードだけでなくログイン後の通信内容も暗号化されてやりとりされるので,安全にリモートホストと通信できます.

次にサーバマシンccz01にsshコマンドを利用してリモートログインする実行例を示します.利用方法はrloginコマンドとほとんど同じです.


%ssh ccz01<RET>
t01000tf's password: <RET>
Sun Microsystems Inc.   SunOS 5.6       Generic August 1997
%

sshコマンドは次のような書式で利用します.

% ssh [オプション] [ホスト名]<RET>

sshコマンドもrloginコマンドと同じように, -lオプションを利用することでリモートログインするアカウントを指定できます.

ユーザ名の指定
-lオプ ションを利用するとリモートログインするアカウントを指定できます.
ssh -l [ログイン名] [ホスト名]
%whoami<RET>
t01000tf
%ssh -l s01000hf ccz03
Password: *****<RET>
Last login: Thu Feb 15 09:20:18 from zz123
Sun Microsystems Inc. SunOS 5.6 Generic August 1997
%whoami<RET>
s01000hf
% _


2.2.2 Windows環境でのリモートログイン

Windows環境のコンピュータからUNIXのサーバにリモートログインするには,telnetを利用します.ここではCNS のWindows環境でTELNETプロトコルを利用できるTera Term Proとtelnet.exeという2つのアプリケーションの利用方法について説明します.

Tera Term Pro

Tera Term Proは,T.Teranishi (teranishi@rikaxp.riken.go.jp) 氏が作成したTELNETプロトコルの利用できるフリーウェアです.Robert O'Callahan(roc+tt@cs.cmu.edu) 氏が作成したフリーウェアであるttsshと合わせて利用することで,sshによるリモートログインをすることができます.

ここでは起動,ログイン,ログアウト,終了の方法を説明します.

  • 起動

    スタートメニューから[プログラム(P)]→[Tera Term Pro]→[Tera Term Pro]を選択すると,Tera Term Proが起動します.

  • ログイン

    起動後,図2.1のようにしてリモートホスト名を指定してログインします.


    図 2.1:Tera Term Proによるログイン
    図 2.1:Tera Term Proによるログイン


  • ログアウトと終了

    logoutコマンドを使ってUNIXホストからログアウトすると,TeraTerm Proのウィンドウが自動的に閉じられ,アプリケーションが終了します.

telnet.exe

telnet.exeはWindowsで標準付属されているアプリケーションです.ここではtelnet.exeの起動,ログイン,ログアウト,終了の操作方法について説明します.

  • 起動

    スタートメニューから[ファイル名を指定して実行(R)]を選択して表示されたウィンドウ(図2.2)の`名前(O)'欄に telnetと入力して[OK]をクリックすると,telnet.exeが起動します.


    図 2.2:telnet.exeの起動
    図 2.2:telnet.exeの起動

  • ログイン

    起動後,[接続(C)]→[リモートホスト(R)]を選択すると,図2.3のウィンドウが表示されます.


    図 2.3:telnet.exe によるログイン
    図 2.3:telnet.exe によるログイン

  • ログアウトと終了

    logoutコマンドを使ってリモートホストからログアウトします.telnet.exeのウィンドウを閉じるには,メニューバーから[接続(C)]→[TELNETの終了(X)]を選択します.

  • 切断

    正常にログアウトできない場合は,メニューバーから[接続(C)]→[切断(D)]を選択して切断します.

2.2.3 Macintosh環境でのリモートログイン

Better Telnet

MacintoshからUNIXのサーバにログインするには,Better Telnetを利用します.ここでは起動,ログイン,終了の方法を説明します.

  • 起動

    デスクトップ上のアプリケーションフォルダの中にある`Better Telnet'アイコンをダブルクリックすると,`Better Telnet'が起動します.

  • UNIXホストへの接続

    1.
    メニューバーから[File]→[Open Connection]を選択する.
    2.
    接続するホスト名を入力する.

    ウィンドウが表示されるので,`Host Name'欄に接続するホスト名を入力して[Connect]をクリックします(図2.4).


    図 2.4:Better Telnetによるログイン
    図 2.4:Better Telnetによるログイン

    3.
    ログイン

    ホストに接続されるとログイン画面が表示される(図2.5)のでCNS でのログイン名とパスワードを入力してログインします.


    図 2.5:Better Telnetの接続画面
    図 2.5:Better Telnetの接続画面

  • 終了

    Better Telnetを終了するには,まず接続しているサーバからlogoutコマンドでログアウトします.次に,メニューバーから[File]→[Quit]を選択してBetter Telnetを終了します.ログアウトできない場合は,ウィンドウ左上端のクローズボックスをクリックするか,メニューバーから[File]→[Close]を選択すると,`Are you certain youwant to close the connection to ....?' というメッセージが表示されるので,そこで[OK]をクリックします.