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4.1 描画とプレゼンテーション -- Showcase
IRIS Showcase (以下Showcaseと表記)はIndyおよびO2で利用できる作画,書類作成,プレゼンテーションを行うためのソフトウェアである.2次元(以下2Dと表記)だけでなく,簡単な3次元(以下3Dと表記)の画像も作成でき,プレゼンテーションのために音声,動画ファイルも取り込める.Showcaseは作画よりも,さまざまな形式のファイルをページに配置する機能に優れている.
Showcaseではオブジェクトをページに配置し,それを編集するという作業によりファイルを作成する.このオブジェクトとは画像,音声,テキストなど,Showcaseが扱う情報を指す.オブジェクトの生成,属性の操作は``ギズモ''と呼ばれるコントロールパネルを介して行う.
Showcaseを起動するには,次のように入力する.
図 4.1:Showcaseの画面
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描画ウィンドウ上部のメニューから[ファイル]→[終了]を選択する.ファイルが保存されていない状態で終了すると,保存するか確認を求められるので,保存するなら[保存],保存せずに終了するなら[破棄]を選択する.
描画ウィンドウ上部のメニューから[ファイル]→[保存]を選択すると,Showcaseファイルとして保存できる.また[ファイル]→[別名で保存]を選択すると,PS形式やテンプレートとしても保存できる.
Showcaseはハイパーテキスト形式のヘルプを持っている.描画ウィンドウ上部のメニューの右端にある[ヘルプ]から各機能の説明を参照できる.各機能の詳しい説明が知りたい場合は,これを利用する.
4.1.5 ギズモ
Showcaseではオブジェクトに対する操作をギズモと呼ばれるコントロールパネルを介して行う.ギズモを用いて,オブジェクトの生成や,属性の変更ができる.ギズモはメニューバーを[ギズモ]を選択して呼び出すが,作業により複数のギズモを使い分けなければならない.次によく用いるギズモについて説明する.
- マスターギズモ (図4.2)
あらゆる操作の基本となるギズモで,2Dの図形の描画,3Dモデルや音声ファイルのインポート,テキストオブジェクトの生成などを行い,それらの配置をする.他のギズモでオブジェクトを編集する際もマスターギズモの選択ツールでオブジェクトを指定する.
- 3Dギズモ (図4.3)
3D作業空間における3Dオブジェクトの生成,編集を行う.球や直方体,文字などの簡単な3Dオブジェクトを3D作業空間内に配置し,編集できる.用意された色やテクスチャを利用することにより多彩な表現が可能であり,オリジナルの質感を作り出せる.簡単な操作で3D画像を作成できるが,複雑な3Dモデルは作れない.
- テキストギズモ (図4.4)
テキストオブジェクトの編集を行う.テキストオブジェクトの変更,テキストオブジェクト間の連結,カラムの分割などの作業を行う.
- 整列ギズモ
オブジェクトの位置を整える.複数のオブジェクトの位置を縦や横などに揃えるために使う.
- ページギズモ
ページのサイズなどを設定する.A4,B4などの紙のサイズや任意のサイズなど,ページのサイズを自由に設定できる.他にスライドショーの設定,実行も行う.
- ステータスギズモ
命令や情報,エラーメッセージを表示する.
- ハイパースクリプトギズモ
オブジェクトに特別な操作のための属性を設定できる.この機能を利用すればプレゼンテーションなどの際の表現力を大きく高められる.例えばあるオブジェクトをクリックすると特定のページにジャンプする,音声ファイルを再生する,などの操作を自動で行うように設定できる.この機能を利用するには描画ウィンドウ上部のメニューから[ビュー]→[ビューオンリー]を選択し,ファイルのモードを変えなければならない.
図 4.2:マスターギズモ
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- 1.
- 2D画像を描画する
マスターギズモ(図4.2)から適当なツールを選択し,描画ウィンドウ内でドラッグ,連続クリックなどツールにより決まった操作をして2次元オブジェクトを描画する. - 2.
- オブジェクトを選択する
マスターギズモ内の選択ツールを選ぶ.描画ウィンドウ内のオブジェクト上でクリックする.目的のオブジェクトが他のオブジェクトの下にあり選択できない場合は,マウスの中ボタンを目的のオブジェクトが選択されるまでクリックする.複数のオブジェクトを選択する場合は <SHIFT>を押しながらオブジェクトをクリックする.
オブジェクトを移動するにはオブジェクトをドラッグすればよい.オブジェクトを選択した状態で[編集]→[ポップ],[編集]→[プッシュ]を選択して,オブジェクトの前後関係を調節できる.
- 3.
- 色,パターンを設定する
オブジェクトを選択した状態でマスターギズモのカラーパレットを操作し,塗りつぶし色,輪郭色,パターンを設定する.カラーパレット上でダブルクリックするとカラーエディタを呼び出せる.カラーエディタを使い,新しい色をカラーパレットに追加できる.
図 4.3:3Dギズモ
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- 1.
- 3Dギズモを呼び出す
描画ウィンドウ上部のメニューから[ギズモ]→[3D]を選択して3Dギズモ(図4.3)を表示させる. - 2.
- 3Dコンテナを作る
3Dギズモから3Dコンテナ作成ツールをクリックして選択する.描画ウィンドウ内でマウスの左ボタンをプレスしながら右下にドラッグすると,赤い枠線が表示されるので,適当な大きさに調節し左ボタンをリリースし範囲を確定する.確定すると枠線は緑になり,その中に3Dコンテナが表示される.このコンテナ内に3Dオブジェクトを配置していく. - 3.
- 3Dコンテナに描画する
3Dギズモから適当なツールを選択する.3Dコンテナ内で,ドラッグ,連続クリックなどツールにより決まった操作をし,3Dオブジェクトを生成する. - 4.
- 位置などを調整する
3Dオブジェクトを選択したときに空間の壁面に表示される影を左ボタンをプレスしたままドラッグするとオブジェクトの位置を調整できる.他にもオブジェクトを回転させるツールや視点を変えるツールなども用意されている. - 5.
- 色,テクスチャを設定する
3Dオブジェクトを選択している状態で3Dギズモのカラーパレットを操作してオブジェクトの色や質感を変える.用意されたテクスチャを利用すると簡単に複雑な質感を与えられる.またテクスチャなどを編集し,独自の質感も与えられる. - 6.
- 3Dオブジェクトの編集を終了する
3Dコンテナの外をクリックすれば3Dコンテナ内での編集作業を終了し,2Dの編集に戻る.作った3Dオブジェクトは他の2Dオブジェクトと同様に操作できる.再び3D空間を表示させ3Dオブジェクトを編集したい場合はオブジェクトをダブルクリックする.
Showcaseではテキストオブジェクトにはラベル,ブロック,スクロールの3種類の型がある.ラベル型は改行をしないので,表題や一度に数文字しか入力しない際に用いる.ブロック型は範囲を固定し,自動に改行をするので文章を入力したりテキストファイルを取り込む際に用いる.スクロール型を使えば一度に表示しきれないような長い文章を,スクロールバーの操作によって狭い範囲に表示できる.テキストオブジェクトの型や性質,スタイルの変更はテキストギズモを用いて行う.
図 4.4:テキストギズモ
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- 1.
- ブロックテキストオブジェクトを作る
マスターギズモからブロックテキストツールを選択する.描画ウィンドウ上でマウスの左ボタンをプレスしたまま右下にドラッグし,ボタンをリリースし範囲を確定する.ブロックテキストオブジェクトを作る.
- 2.
- 文章を入力する
英数字は直接入力できる.日本語を入力する場合は,まずマスターギズモでフォントをMinchoかGothicに設定し.テキストをMuleなどからコピー&ペーストする.描画ウィンドウ上部のメニューから[ファイル]→[挿入]→[テキスト]を選択して,テキストファイルをテキストオブジェクト内に取り込める.
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