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1.4 絶対パスと相対パス

ツリー構造の中でファイル名を指定するには,カレントディレクトリのファイルであればそのファイル名だけを指定すればよい.例えば図1.4では,カレントディレクトリが`english'であれば,`text1',`text2'とするだけでそのファイルを指定できる.しかし,カレントディレクトリ以外のディレクトリにあるファイルを指定する場合には,そのファイルがどのディレクトリにあるのか,またそのディレクトリはツリー構造の中のどの位置にあるのかを指定しなければならない.ファイルを指定する場合には``パス(path)''を使ってファイルを指定する.パスを使ったファイルの指定の方法には絶対パスと相対パスの2つの方法がある.


図 1.4:ファイル名とパス
図 1.4:ファイル名とパス


1.4.1 絶対パス

ツリー構造におけるルート(/)を基点として,特定のファイルを指定する方法を絶対パスと呼ぶ.例えば図1.4でファイル`text1'を絶対パスで指定するための,ルートからファイル`text1'までの道のりは次のようになる.

/ → home → s99000hf → language → english → text1

絶対パスでファイルを実際に指定する場合は,ルートを基点とし,道のりとして通るディレクトリを順に``スラッシュ(/)''で区切って表す.絶対パスによるファイル`text1'の表し方は次のようになる.

絶対パス指定: /home/s99000hf/language/english/text1

絶対パスによる指定ではルートを基点とするのでカレントディレクトリがどこであってもファイルの指定は同じ表現となる.また各ユーザのホームディレクトリは絶対パスで`/home/ログイン名'または`~ログイン名'と表される.例えばログイン名が`t99000tf'であれば,カレントディレクトリに関わらずホームディレクトリは`/home/t99000tf'あるいは`~t99000tf'と表せる.


1.4.2 相対パス

1.4でファイル`text1'を指定するもう1つの方法は,ファイルをカレントディレクトリからの相対的な位置によって指定する方法である.この指定方法を相対パス指定と呼ぶ.例えば,カレントディレクトリが`circle'の場合,ファイル`text1'は相対パスを使って次のように指定できる.

相対パス指定: ../language/english/text1

このとき,`..'はカレントディレクトリの1つ上のディレクトリを示し,``親ディレクトリ''と呼ぶ.この例ではディレクトリ`s99000hf'がこれにあたる.また,カレントディレクトリは`.'で表せる.カレントディレクトリのファイルをファイル名のみで指定するのも相対パス指定である.



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