コンピュータに指示したり応答する場合,キーボードから文字や記号を入力する.キーボードからは,文字や記号以外にもカーソルの移動やウィンドウの切り替えなどさまざまな命令をコンピュータに伝えられる.
キーにはそれぞれ,対応する文字や数字が記されている.キーを押すと,キーに記されている文字や数字,記号(`a',`8',`;'など)が画面に表示される.ただし,アルファベットは,キーに大文字が記されていても入力される文字は小文字である.大文字のアルファベットを入力するには,<SHIFT>を押しながらキーを押す.また<CAPS>を押すと,キーボードからのアルファベットの入力が大文字になる.もとの状態に戻すには,もう一度<CAPS>を押す.
記号の入力は,記号の記されたキーを押して入力する.また数字や記号のキーの表面上部に記されている記号は,<SHIFT>を押しながらそのキーを押して入力する.
入力した結果が画面に目に見える文字として現れないものに<RET> ,<TAB>,<SPACE>がある.<RET> は,通常キーボードの右側の中段に位置し,改行を行うために使用する.<TAB> は,通常キーボードの左側の中段に位置し,列揃えを行うために使用する.<SPACE>は,キーボードの最下段中央に位置し,空白を入力するために使用する.
キーボード上には<ALT>,<ESC>,<CTRL>と呼ばれるキーがある.これらのキーを押しながら同時に他のキーを押すことで,さまざまな意味を持つ入力を行える.本書では<CTRL>を押しながらxを押すことを C-x,<ESC>を押した後でxを押すことをM-xと表記する.
キーボードから入力できる記号は数多く存在する.いくつかの記号には正式名称が存在するが,多くは慣習的な呼び名が日常的に使用されている.一般的な読み方を表2.1に挙げるが,この読み方以外で呼ばれることもあるので注意すること.