SFC CNS GUIDE 2004

14.2 ベクトル画像の描画 -- Tgif

Tgifは, 直線, 曲線, 図形, 文字入力 などのさまざまな描画モードが備わっているドロー系画像ツールであり, kinput2を利用して日本語を入力できます. 出力形式は, PS, EPS, EPSI, GIF, XBM 形式が利用できます. LaTeXで作成した文書に図を貼り込みたい場合などに利用します.

14.2.1 起動と終了

14.2.1.1 起動

次のように入力すると,Tgifが起動します.

tgif [ファイル名] &

Tgifを起動すると図14.6のようなウィンドウが表示されます. [ファイル名]を指定した場合はその画像がキャンバスに表示され, 何も指定していないときは新しいキャンバスが表示されます.

図 14.6: tgifのウィンドウ
14_TgifWindow

14.2.2 終了

Tgifを終了するには, [File]をプレスして表示されるメニューから[Quit]を選択します.

14.2.3 基本操作

Tgifのウィンドウ内で右ボタンをドラッグすると, 描画モード選択用のプルダウンメニューが表示されます (図14.7). メニューから 文字入力, 直線, 四角形, 円形作図, フリーハンド作図 などの描画モードを選択できます. 選択された描画モードは, 画面上部の `Panel Window' (図14.6) に表示されます.

描画モードメニュー (図14.7) からモードを選択した後, 表14.1に示した操作方法にしたがって図形を作成します.

図 14.7: 描画モードメニュー
14_TgifDrawMenu
表 14.1: 各モードにおける描画方法
モード 操作
編集, 四角形, 円形, 角丸長方形, 頂点選択 マウスの左ボタンでキャンバスをクリックして始点を決定し, そのままマウスをドラッグして終点を決定します.
円弧 マウスの左ボタンで中心,始点,終点の順にキャンバスをクリックして 円弧を決定します.
フリーハンド マウスの左ボタンをドラッグして描画します.
文字入力 マウスの左ボタンで入力する位置を決定し, 文字を入力します.

14.2.4 メニュー操作

14.2.4.1 メインメニュー

Tgifのウィンドウ内でマウスの中ボタンをプレスして表示されるプルダウンメニューから, 保存, 編集, フォントやレイアウトなどの設定,変更を行えます. まずメインメニュー内で項目を選択し, 中ボタンをリリースします. マウスカーソルの形が変わるので, 再びマウスボタンをドラッグすると, 選択したモードに関して具体的な設定, 変更を行うためのサブメニューが表示されます. その中から項目を選択します. ほとんどのメニューは画面上部の `Panel Window' (図14.6) にも表示されており, そこをマウスでクリックすることで設定,変更を行えます.

14.2.4.2 サブメニュー

次にメインメニューを選択して表示されるサブメニューの各項目について説明します.

14.2.5 保存

マウスの中ボタンを使って メインメニューから[File]の[Save], または[SaveNew]を選択します. [Save]を選択した場合は, 編集中のファイル名で保存されます. また[SaveNew]を選択した場合は, 新しいファイル名を入力するためのウィンドウが表示されるので, そこでファイル名を入力し<ENTER>を押すと, .objという拡張子がついたファイル名で保存されます.

14.2.6 出力

Tgifで用いられるファイル形式はobj形式というフォーマットであり, 描いた図をLaTeX文書に取り込んだり, プリンタで印刷したり, WWW上で公開するにはそれぞれに適した画像形式に変換する必要があります. パネルウィンドウでLaTeX (EPS) と表示されている部分を マウスの左ボタンでクリックするとさまざまなフォーマットが表示されるので, 用途に応じたフォーマットを選択してファイルメニューから[Print]を実行します. その際ファイル名は `tgif.obj' を, GIF形式で出力した場合は `tgif.gif', EPS形式で出力した場合は `tgif.eps' となります. なお,CNS上のプリンタでは EPS形式とPS形式の画像のみ印刷できます.

注意 Tgifでは編集の際にobjファイルを必要とするので, どの形式で出力してもobjファイルは消去しないでください. objファイルを消去した場合, 再度その図を編集できなくなります.

14.2.7 日本語入力

14.2.7.1 コピー・アンド・ペーストによる日本語入力

マウスを用いたコピー・アンド・ペーストを利用して日本語を入力する場合, TgifとともにEmacsなどを起動しておく必要があります.

はじめに, Tgifに貼りつける文字列をEmacsの中に表示させ, その文字列をマウスで選択して反転表示させます. 次にTgifのウィンドウでマウスの中ボタンをクリックし, メインメニューの[Edit]から[Paste]を選択します. マウスポインタと共に四角の枠が表示されるので, Tgifのウィンドウ上でマウスボタンをクリックし, 文字列を `Canvas Window' (図14.2) に貼りつけます.

貼りつけた文字列のフォントが合っていないために, 表示がおかしくなった場合には, マウスの中ボタンを使ってメインメニューから[Font]を選択し, サブメニューの中から横書き用の[Ryumin],[Gothic] または縦書き用の[Ryumin-V],[Gothic-V]のいずれかを選択すると, 貼りつけた文字列が選択したフォントに更新されます.

14.2.7.2 kinput2による日本語入力

Tgifではkinput2というソフトウェアを使い, 日本語の直接入力もできます. kinput2は, X Window System上で動作する日本語入力フロントエンドプロセッサ (FEP) であり, これを利用してアプリケーションに日本語を入力できます. かな漢字変換にはWnn ([*]) を利用しています.

起動

kinput2は, 日本語を入力するアプリケーションを起動する前に, バックグランドジョブとして起動しておく必要があります. kinput2を起動するには, 次のように入力します.

% kinput2 & <ENTER>
% _

使用方法

kinput2は起動しただけでは何も起りませんが, アプリケーション内で文字入力モードにした後に <SHIFT>を押しながら<SPACE>を入力すると kinput2のウィンドウが表示されます (図14.8).

図 14.8: kinput2の使用例
14_Kinput2

再度 <SHIFT>を押しながら <SPACE>を入力すると kinput2のウィンドウが画面から消えて, もとの文字入力状態に戻せます.

ただしTgifを利用した状態では多少操作方法が異なります. `Tgif' ウィンドウ内でマウスの右ボタンをドラッグすると 描画モードメニューが表示されるので, その中から文字入力モードを選択します. そして<CTRL>を押しながら<SPACE> を入力するとkinput2のウィンドウが表示されます.

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