コンピュータの基本操作/コンピュータにおける情報構造/保存されている情報

3.1.1 ファイル

アプリケーションなどを利用して作成されたデジタルデータは,まとまりを持った``ファイル''という単位で保存されます.ファイルは紙と同じように情報を記憶できますが,ファイルには文章だけでなく画像,音声,映像などさまざまなものをデジタルデータ化して保存できます.アプリケーションそのものもファイルとして保存されています.


図 3.1:ファイルの特徴
図 3.1:ファイルの特徴

アプリケーションは,それぞれ扱えるファイルの形式が決まっています.また,同じ種類のデータを扱うアプリケーションでも,保存する形式が異なることがあります.

例えば,Emacsという文書を扱うアプリケーションは``テキストファイル''と呼ばれる文章だけが記述されたファイルは扱えますが,画像ファイルや,音声ファイルなどは扱えません.また,WindowsやMacintoshで動作する,Wordという文書を扱うアプリケーションで作成したWord文書形式のファイルは,Emacsでは読み取れません.

さらに,同じ種類のデータでも,その利用目的によって保存形式を使い分けることがあります.例えば画像ファイルにも,画質を求めたい場合やファイルのデータ量をできるだけ少なくしたい場合に合わせて,さまざまな保存形式があります.

3.1.2 ファイル名

自分で作成したファイルにはそれぞれ `assignment.tex',`sound.wav',`sfc.jpg' など名前をつけられます.

ファイル名は原則として半角英数字で指定します.日本語でもファイル名を指定できますが,OS ごとに利用できる文字コードが異なるため,正しく表示されない場合があります.

拡張子

アプリケーションや利用目的ごとにデータの保存形式は異なるため,それらを識別するために``拡張子'' をファイル名に付加します.拡張子は,そのファイルがどのような性質のものかを判断する際に用います.ドット(`.')で区切られた後の文字列が拡張子を表し,通常英数字3文字で表現されます.

Windowsでは,拡張子とアプリケーションが対応しており,ファイルのアイコンをダブルクリック(2.3)することで,関連づけられたアプリケーションを起動できます.また,Macintoshでは拡張子はあまり意味をもたず,ファイルのデータから対応するアプリケーションを判定します.

3.1.3 ディレクトリ

コンピュータを利用して作業をすると,多くの情報を保存するため,ファイル数が増えていきます.あまりに多くのファイルがあると,目的のファイルを検索するのに時間がかかり,作業の能率に影響があります.そのためコンピュータでは目的や種類に応じてファイルをまとめて整理するための箱をつくれます.この箱を``ディレクトリ''と呼びます.ディレクトリもファイルと同じように,名前をつけて区別します.UNIXではディレクトリといいますが,WindowsとMacintoshでは,ディレクトリのことを``フォルダ''といいます.

3.1.4 ホームディレクトリ

CNS 環境ではそれぞれのユーザに1つ,自分のログイン名がついた専用のディレクトリが用意してあります.これを``ホームディレクトリ''と呼びます.この中には,ファイルや電子メールなど,個人のファイルが保存できます(図3.2).

ホームディレクトリは``ファイルサーバ'' と呼ばれるコンピュータに保存されています.ファイルサーバには多数のユーザに共有されているため,各自がホームディレクトリとして利用できるファイル空間には限りがあります.そのため,学生のホームディレクトリの利用は最大100Mbyteまで,ファイル数は15000個までに制限されています.


図 3.2:ホームディレクトリのイメージ
図 3.2:ホームディレクトリのイメージ