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2.5 他のユーザとの会話(2) -- phone


phoneコマンドは,基本的にtalkコマンドと同様に他のユーザとリアルタイムで会話するためのツールだが,ひらがなを表示できるなど,talkコマンドよりも高機能なコミュニケーションツールである.これもtalkコマンドと同じくCNSの多くのホストで利用できる.

2.5.1 phoneの基本操作

自分と同じホストにログインしているユーザに対してphoneコマンドを実行するには,コマンドに続けて会話する相手のログイン名を入力し, talkコマンドと同じように相手が応えるのを待つ.また,自分とは違うホストにログインしているユーザに対してphoneコマンドを実行するためには,次のように相手のログイン名とホスト名および端末名を指定する必要がある.

% phone [ログイン名]@[ホスト名] [端末名]<RET>

相手のターミナルウィンドウにはphoneを受けたというメッセージが表示され,相手が応えるとターミナルウィンドウが上下に分割される.このとき,phoneを受ける側は,相手のログイン名を指定してもしなくてもよい.

% phone s00000hf@ccz00 pts/2<RET>

次の例は,ccz01にログインしているユーザ(t00000tf)からかかってきたphoneに応えて会話を始めるところである.
Message from the Telephone_Operator@ccz00 at 6:08 ...  
phone: connection requested by t00000tf@ccz01 
phone: respond with "phone t00000tf@ccz01"
% phone<RET>

自分の入力した文字はターミナルウィンドウの上側,相手の入力した文字はターミナルウィンドウの下側に表示される(図2.2).


図 2.2:phoneの実行例
図 2.2:phoneの実行例

表示される名前の変更

phoneコマンドの際に表示される名前を変更するには,シェル上で次のように入力して,環境変数PHONENAMEを設定する.

% setenv PHONENAME "[名前]"<RET>

この1行を.cshrcファイル に記述しておけば,以降シェルを起動するときにPHONENAMEが設定される.


2.5.2 キー操作

phoneコマンドには,表2.1のような機能が用意されている.これらの機能を利用するためのキー操作は,相手の画面には表示されない.


表 2.1: キー操作
キー操作 意味
C-c y phoneの終了
C-u 自分の入力中の一行を消す
C-n 自分の表示領域のすべての文字を消す
<ESC> コマンドモードに移行


2.5.3 かな文字の使用

<ESC>に続けて`set code jis'と入力すると,入力した文字の表示がアルファベットからひらがなに切り替わる.片仮名で表示するときには,その単語の一番はじめをアルファベットの大文字にすればよい.<SPACE><TAB>で単語を区切れる.また,母音で終わらない単語はアルファベットのまま表示されるので注意すること.英単語など,純粋にアルファベットで単語を表示する場合は,ダブルクォーテーション(")でその単語を囲む.

ホームディレクトリに`set code jis'と記述した .phonercという名前のファイルを作成しておくと,以降phoneを起動するだけでひらがな表示に切り替わる.

2.5.4 別コマンドの実行

<ESC>を押すと,ウィンドウの下に`command>'と表示される.ここに`run [コマンド名]'と入力すると,そのコマンドが実行される.実行結果は,通常の出力と同じようにphoneの画面に表示される(図2.4).この例では,dateコマンドを実行している.




図 2.3: phone実行中のコマンド実行







図 2.4: コマンド実行後の画面







2.5.5 画面のダンプ

<ESC>を押すと,ウィンドウの下に`command>'と表示される.ここに`dump [ファイル名]'と入力すると,会話をしているウィンドウの内容をホームディレクトリ上のファイルに記録できる.ファイル名を指定しないと,.dumpというファイルに記録される.

ホームディレクトリ上に指定した名前のファイルがすでに存在する場合には上書きされてしまうので注意すること.

2.5.6 3人以上のユーザでのphone

phoneは最初2人で始めるが,途中で他のユーザを会話に参加させることもできる.これを行うには,<ESC>に続けて`call [ログイン名]'と入力する.呼ばれたユーザがphoneコマンドを実行すると,画面が人数分に分割される(図2.5).


図 2.5:3人以上でのphone
図 2.5:3人以上でのphone


2.5.7 CNS外のコンピュータにログインしている人とのphone,talk


相手がCNS外のコンピュータにログインしている場合でも,そのコンピュータがtalkコマンドやphoneコマンドに対応していれば,会話できる.通常と同じようにログイン名に続いてホスト名を指定する.次に,CNSから,CNS外部のaoe.guide.ac.jpというホストにログインしている jiroというユーザにphoneコマンドを実行する例を示す.この場合はaoeがホスト名,guide.ac.jpが外部のホストのドメイン名となる.

% phone jiro@aoe.guide.ac.jp pts/2<RET>


図 2.6:CNS外部とのphone
図 2.6:CNS外部とのphone



talkコマンドやphoneコマンドは端末名を指定しなくても相手を呼び出せる.しかし,どのターミナルウィンドウにメッセージが表示されるかわからないので,複数のウィンドウを表示している場合などはtalkやphoneがかかっていることに気づかないことが多い.端末名を指定すると確実に現在作業中の画面で相手を呼び出せる.


2.5.8 phoneの終了


phoneコマンドを終了するためには,C-cを押す.すると画面の左下に`Really quit?'と表示されるので,yを押す.


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